ブックレビュー

更新日： 2002年 03月 01日

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209ページ(2002年2月1日発行)
エンターブレイン ; ISBN: 4757707908 ;A5判

　セガのアーケードゲーム全４３２タイトルを写真付で紹介した本。「オールアバウトナムコ（1985年電波新聞社)のセガ版と言える。

　さすがにタイトル数が多いのでオールアバウト〜のような緻密な攻略記事は無いが、それでもセガの膨大なアーケードタイトルを写真付で辞典的に一覧できるのは嬉しい。開発者インタビューも技術的な話が多く読み応えがある。鈴木裕のインタビューも「鈴木裕ゲームワークス」のものより遥かに具体的な内容で、まるで別人のように感じる（笑）。同じ人でもインタビュアーによってここまで変わるのかと思った。

　モデル２基板のテクスチャは濃淡情報しか持てなかったので苦労した（カラーの柄は複数ポリゴンを重ねてた）など、初めて知るようなディープな話が多数。７０年代のタイトルも網羅されており資料的価値は十分にある本。白黒時代の筐体写真が何とも言えない郷愁を誘う。ただ、古いタイトルはさすがに実機が無かったのか、カタログ写真の転載ばかりだったのが寂しかった…

　個人的にはエミュレータの画面が使われてない所を評価したい。メーカー公認本としては当然なんだろうけど、やはりエミュレータは「再現物」。資料としての価値は格段に落ちる。

　家庭用機では「セガ＝マイナー」なイメージがあるが、アーケードのセガは歴史も規模もトップクラスのメジャーメーカーだ。セガファンにも、アーケードファンにも楽しめる本。

　なお、家庭用編「セガ・コンシューマー・ヒストリー」も同社から発行されている。

【Ｒｏｏｔ】